地理学評論
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九十九里平野,特に椿海干拓地の島畑景観について
竹内 常行
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1975 年 48 巻 7 号 p. 445-458

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抄録

九十九里平野では,いく列かの砂堤(あるいは浜堤,砂堆)と砂堤間の低湿地が,海岸線にほぼ平行しているという地形的特色に対応して,砂堤は集落・畑・山林などの場所,低湿地は水田になっているというのが,従来の通念であった.しかし,砂堤の大部分は島畑区域となっているので,水田は砂堤の区域にも広く分布しているという事実によって,従来の通念を修正し,ついで九十九里平野に島畑のできた理由について.従来発表された意見の誤りを指摘し,地形に由来する水利上の不利を克服しながら,砂堤区域に水田を拡張して行なった結果,島畑景観が生れたものであることを明らかにした.
ついで本稿の大部分を椿海干拓地の島畑地域の記述にあてて,まずその島畑の分布図を作成し,特色ある島畑景観地域について,いかなる地形,いかなる水利条件の地域に,島畑景観が生れたかを明らかにする.

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