抄録
地形図などから計測によって求められたデータの分析処理は,現在では電子計算機を用いて大量かつ迅速に行なえる.そしてこれが,計量モデル構成のための一つの標準的な手続きとなりつつある.データ分析手段のうちの傾向面分析と調和解析は,地形的特徴の空間的な拡がりを議論する場合に重要である.筆者らが西南日本の地形を対象として行なった例について述べると,阿讃山地の傾向面分析によって流れ盤と受け盤における地形的差異が残差平方和の傾斜依存性の違いとして明確に示されたし,近畿地方の2次元フーリエ解析で抽出される20km前後の卓越波長は,造構的な原因によるものであることが他のデータとの比較で明らかとなった.一般に,新しい手法の導入に際して問題意識が重要であることは,上記の場合においても例外ではない.このような手続きを経て得られた計量モデルの正当な評価のためにも,客観性の高いデータを作成する段階における労力の軽減は重要であり,たとえぼ1/2.5万や1/5万の地形図に座標線を記入するというかたちでのそのための措置が望まれる.