地理学評論
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地域傾向面分析の意義・適用事例および問題点
石水 照雄大友 篤磯部 邦昭
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1976 年 49 巻 7 号 p. 455-469

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抄録
多項式近似による地域傾向面分析の手法により,(1)関東地方および東京中央部における人口密度分布を解析したところ,その空間構造が,巨視的にみた場合と微視的にみた場合とでは差異があること,ならびに人口密度分布における空間構造としての同心円構造が,関東地方については一つ,東京中央部については,地域傾向面の次数の上昇につれて,三つまで存在することが判明した.また(2)明瞭な空間構造をもっ等間隔の配置パターンについて検討したところ,偏差範囲の小さい単一の同心円パターンに対する地域傾向面には,良好な適合度を期待できるが,偏差範囲の大きい同心円パターンや極大値を数多く含む分布パターンに対しては,良好な適合度を期待することは困難であることが見出された.さらに(3)地域傾向面分析の手法は,残差値の分析手法や空間的分布の形での誤差尺度の上で,改善すべき点をもつが,地表事象の空間構造を認定し,それを空間的過程から説明する研究上,有用な手法であるといえる.
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© 公益社団法人 日本地理学会
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