抄録
園芸作物が市場において産地間競争を経過すると,その園芸作物産地にどのような地域変化がおこるかを,大型生産地を代表する高知施設園芸地域で考察した. 1. 3大市場で厳寒期出荷の独占的地位を占めていた高知県産キュウリは, 1965~1975年の間に大都市近郊,特に東京近郊諸県産キュウリにその地位を奪われた.この結果,キュウリ生産地域として1地域を形成していた高知施設園芸地域は,安芸ナス地域。中部ピーマンその他野菜地域・西部キュウリ地域の3地域に地域分化した. 2. 大都市近郊園芸地域の攻勢で,高知施設園芸地域のような大型輸送園芸地域が変質を迫られることは特徴的なことであり,高知施設園芸地域は,キュウリ生産地域として大型であった産地規模の有利性を生かして,ナス産地・ピーマン産地としても急速に広範囲に地域形成したのである. 3. 大型生産地の地域変化の要因追究は,地域内の一部をなす小地区の調査だけでその目的を達成するものではなく,広範囲にわたって同じ傾向の地域変化を示す要因を考察しなくてはならない.