地理学評論
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東京における金融機関金融網の変容
高橋 伸夫
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1979 年 52 巻 9 号 p. 502-518

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抄録
本稿は,金融機能が地域的に最も集積する大都市地域において,金融機関の店舗の新設・廃止地点を経年的に追跡することにより,店舗網の拡大過程を明らかにし,次に各地区の預貸率の比較により資金の地域間流動を推測した.また,金融機関の規模によって地域的に対応形態が異なると予想されるので,大規模と中小規模の金融機関の地域的な役割を考察することも研究目的とした.
預金を吸収する金融空間が,大都市地域の周辺部に広がり,都心部の中央業務地区と副都心のきわめて限られた空間で,資金の貸付けの主要な部分がなされている.上記の傾向は,中小金融機関に比較して大規模な金融機関ほど顕著である.また,中央業務地区においては,大規模な金融機関の預金・貸出金の占有率が高く,それに対し周辺部に向かうに従って,中小金融機関のそれの割合が高くなる.したがって,それぞれの金融空聞において,金融機関の規模に応じて果たす役割に差異がある.
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© 公益社団法人 日本地理学会
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