地理学評論
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東京都における都市公園の発達過程とその分布構造
橋詰 直道
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1980 年 53 巻 3 号 p. 189-202

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抄録

本稿は東京都を事例として,都市公園の整備・発達過程を時間・空間的に把握し.現在の都市公園分布のもつ空間構造の規則性を因子回帰分析を用いて検討し,公園整備の社会・経済的背景を考察したものである.その結果,次の諸点が明らかになった. 1. 都市公園整備は都市計画を反映しており,旧江戸の市街地から発生し,都市化の進展とそれを制度的に後追いする公園整備に関する法律に裏づけられて発達してきた. 2. 1975年現在の公園数は,都心周辺に位置する区において最も多く,公園数を規定する最大の都市構成要因は,人口規模を表わす共通因子である. 3. 公園の数は公共投資量の拡大によって年を追って増加するが,その1ヵ所あたりの公園面積は地価の高騰によって小規模化の傾向を呈す.

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