抄録
本研究は,東京大都市圏北西部における経済変動の地域的先行・遅行関係を,新規求人数を指標とし,クロススペクトル分析を用いて明らかにしたものである.スペクトルが得られた周期の変動のうち,それぞれ小循環・主循環に最も近い42.5ヵ月周期の変動および127.5ヵ月周期の変動について,クロススペクトル分析を用いて経済変動の地域的先行・遅行関係を求めた.その結果, 42.5ヵ月周期の変動は大都市圏周縁部ほど先行し, 127.5ヵ月周期の変動は大都市圏中心部ほど先行するというパターンを呈した.これらの結果を各地域の産業特化係数との相関分析によって考察した結果,このような先行・遅行関係が大都市圏における特定の産業の特化と関係しており,さらにその産業の配置パターンが経済変動の先行・遅行関係の空間的パターンに関係することが示された.