1973年9月に誕生した西之島新島について,誕生の初期から約5年の間, YS-11機により10回に及ぶ航空写真測量を実:施し,新島の変化を追跡してきた.その結果,島が最も拡大した1974年8月以後,新島は南側で激しい海岸侵食に見舞われ,全体的に縮小化に向かった.南部海岸の後退には二つの時期があり,その時期は台風と一致する.海岸侵食は周りの海底地形に著しく支配され,新島を構成する地質の硬軟の度合が,侵食地形に鮮かに現われた.海岸侵食のあとには,海食平坦面が形成され,これは波浪による侵食限界水深を示すものとして注目される.