地理学評論
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韓国の都市化と都市システム:1960年~1980年 (I)
朱 京植
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1982 年 55 巻 1 号 p. 1-20

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抄録
韓国の急速な都市化に伴う都市システムの成長を総合的に把握するため,まず,第1報として都市システム次元の変化の把握,次元の一致性の確認,都市のグルーピング,変化への要因の究明を試みた.主に主因子分析法とQモードのクラスター分析を用いて, 1966・1978年において時系列的に分析・比較した.因子分析の結果, 60年以降,韓国の都市システム次元の変化が著しく,それは輸出工業化の影響であること,首都圏と釜山圏の都市化が激しかったことなどが明らかになった.また,クラスター分析の結果では,都市化に伴ってソウル・釜山が特別大都市群を形成したこと,広域中心的機能を果たす都市群が新しい都市群として形成されはじめたこと,などが明らかになった.このようなドラマチックな都市システム次元の変化は,韓国がたどってきた歴史的背景・政府の開発政策・都市化の拡散効果・大都市への人口集中・工業化による所得の上昇・教育の効果などによるものと理解できる.
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