抄録
対流圏における準停滞性超長波の季節変動には,年による差異が見られる.この原因を明らかにすることは,大気大循環および長期予報において重要であるが,そのためには,年による差異の実態を明らかにする必要がある.本研究でぽ,半旬平均500mb高度データを用いて,はじめに準停滞性超長波の平均的季節変動を明らかにした.次いで, 500mb高度の標準偏差を計算することにより,年による変動の地理的・季節的差異を求め,さらにアジア大陸東岸のトラフの位置について,年による差異の実態を統計的に解析した.その結果, 500mb高度の年による変動は冬季において大きく,アリューシャン・バフィン島・スカンジナビア半島の3ヵ所に最大変動域が見出された.また,アジア大陸東岸のトラフの位置は30°Nにおいて,冬季・夏季とも経度にして約30°の変動幅を持つのに対し,50°Nにおいては,冬季に約30°,夏季に約90°の変動幅を持つことが示された.