地理学評論
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蝦夷富士半月湖湖水の炭酸瓦斯含有量 半月湖の研究(三)
渡邊 宗重
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1931 年 7 巻 8 号 p. 613-627

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抄録
一、本研究は湖水の遊離炭酸瓦斯含有量を研究せるものなり。
二、湖底水には非常に多量の炭酸瓦斯を含有す。
三、其の原因は湖底にある生物の遣骸の腐敗と炭酸瓦斯を多量に含む湧水とによるものと推定す。
四、湖面氷結後融氷期まで下層を除き各層の炭酸瓦斯量は漸増加す。
五、五月乃至九月間の○米より四米層の間には炭酸瓦斯を缺く。是れササモの同化作用による。
六、十一月に八米層より深部の各層の炭酸瓦斯量の俄かに減少したるは明かに十月以後湖水に全循環期のありしを證明するものなり。
七、炭酸瓦斯量の成層状態は一年を通じて常に逆列成層をなす。
八、炭酸瓦斯量の躍層は年中之を認む、其の下限は一年中略十六米層に在り、其の上限は九月にて四米層に達し其の前後には次第に低し。
九、水の各層に於ける一年中の炭酸瓦斯最高含有量の出現期は次の如し。
1. ○米層乃至六米層間にては結氷期の末期。
2. 八米層乃至湖底間に於ては九月乃至十月。
一〇、同じく炭酸瓦斯最低含有量の出現期は次の如し。
1. ○米層乃至六米層間に於ては春期末より夏期。
2. 八米層乃至湖底間に於ては十月乃至四月。
一一、炭酸瓦斯量の變化よりするも酸素量のそれと同様湖水を六米より淺部と八米より深部との二層に大別することを得。
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