1995年1月の兵庫県南部地震により,測地学的方法で検出可能な一連の地盤の変位と,系統的な横ずれ変位が地表に生じた.その特性に基づき,横ずれ共役断層で分けられた菱形の断層ブロックの存在が確認される.断層ブロックを剛体と考えて各ブロックの変位を分析することにより,播磨灘ブロックの西から東へ向かう運動で始まる兵庫県南部地震による断層ブロックの運動像を組み立てることができる.神戸市街地における顕著な被害は,ブロック境界にあって系統的横ずれ変位を伴う断層上で生じている.さらに東播磨地域の傾動運動にっいて,海成段丘面の傾動量と海岸部の護岸のそれとを比較することにより,本地域の地震の平均周期は約500年と計算される.