地理学評論
Online ISSN : 2185-1727
Print ISSN : 1347-9555
ISSN-L : 1347-9555
大田区における機械工業集団の機能変化
竹内 淳彦森 秀雄八久保 厚志
著者情報
ジャーナル フリー

2002 年 75 巻 1 号 p. 20-40

詳細
抄録

大田区を中心とする東京城南地域の工業集団は,多様な加工業をベースに東京地域機械工業体系の技術集団として重要な役割を果たすとともに,ME化など技術の先端化に自助努力で対応してきた.1990年代に入り,厳しい経済環境変化の中で工業集団は新たな対応を示している.すなわち,戦後創業した第1世代の職人的技術に加え,ME技術を持ち,あるいは,新しいセンスを備え持った新世代が台頭している.両者は融合・結晶化し,それによって,ますます高度化する技術の自前化を進めるとともに,地についた企業間父流とそのネットワーク化を実現している.その結果,大田区の地域的な技術集団の機能はさりに局まっている.同時に,大田区の工業集団は,日本機械工業の技術高度化の核心としての新たな役割を担いながら,他地域との間の分業システムを強化させている.

著者関連情報
© 公益社団法人 日本地理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top