地理学評論
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尾張丘陵および知多丘陵の湧水湿地にみられる植生分布と地形・堆積物の関係
富田 啓介
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2008 年 81 巻 6 号 p. 470-490

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抄録
愛知県尾張丘陵および知多丘陵に分布する8ヵ所の湧水湿地 (湧水によって形成された湿地) を事例として, 湿地内にみられる植生分布と, 地形および堆積物との関わりについて検討した. 谷壁斜面にみられる湧水湿地4地点と谷底面にみられる湧水湿地4地点にベルトトランセクトを設置し, 区域内の植生と堆積物の厚さの分布を調べた. 堆積物は, 谷底面の湧水湿地では厚く, 谷壁斜面の湧水湿地では薄かった. 植生にっいては, 谷底面の湧水湿地ではヌマガヤの優占する植被率の高い植生が, 谷壁斜面の湧水湿地ではイヌノハナヒゲ類などからなる植被率の低い植生がそれぞれ卓越していた. 谷壁斜面の湿地でも, 堆積物の厚い部分ではヌマガヤの優占する植被率の高い植生が卓越することが多かった. これらの結果は, 湧水湿地では地形が堆積物の厚さに影響を与えること, 植生分布と堆積物の厚さが密接に関係する場合があることを示している.
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