抄録
福岡県内の数箇所において,非火山性熱水系の地下構造の解明を目的の一つとする重力探査が実施されている。福岡市南区の横手・井尻地区における探査では,温泉井が集中している北西-南東走向の基盤岩急傾斜部が警固断層の一部であり,過去の断層活動で形成された高透水性の破砕帯が,基盤岩である花崗岩体の深部から上昇する温泉水の流路となっていると結論された。また,田川郡大任町における探査では,南北走向の田川断層に伴う半地溝状の地下構造が示され,過去の地質調査の結果と考え合わせると,将来の温泉掘削の際には田川断層の破砕帯が有望な対象となると考えられた。しかしながら田川断層の傾斜はほぼ垂直であると予想されるため,温泉井の掘削には傾斜掘りを適用するのが良いと思われる。