日本地熱学会誌
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総説
地熱エネルギーの将来について
ホーン ローランド N.
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キーワード: 将来, 坑井の生産性, EGS
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2012 年 34 巻 4 号 p. 201-206

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抄録
過去5 年間に,地熱開発は大幅に変化した。2005 年以降の歴史的に高い石油価格の影響で再生可能エネルギーが脚光を浴び,それは温室効果ガス削減にむけた地球規模の野心的目標からも支持された。地熱開発は,「従来型の」地熱資源に伝統的に関心の高い国(ニュージーランド,インドネシア,米国等)と,歴史的には地熱に関心の無かった国(オーストラリア,ドイツ等)の双方において,世界の多くの地域で加速した。火山地域にある従来型の熱水系を使ったおなじみの方法で新たな開発が進む一方,非火山地域における地熱増産システム(EGS)プロジェクトという新しい方向性も追求されてきた。技術力により,より低温の地域や,熱水系の水が十分に行きわたっていない地域,地表の利用に制限がある地域においても,従来型の地熱資源開発が可能となった。EGS プロジェクトは,さまざまな方向性で,いろいろな地域で開始された(米国では現在6 つのEGSプロジェクトが進行中)。この流れでいくと,将来の地熱開発の拡大は,新しいフィールドでの探査と,既知だがまだ開発利用されていないフィールドでの技術的挑戦に賭かっている。世界の地熱業界で現在指摘されている2 つの問題は,(1)「生産性のギャップ」:ダウンホールポンプを利用するには高温すぎるが,フラッシュサイクルを用いるには低温すぎるフィールドの開発,(2)持続可能な流量を保証し,誘発地震活動は問題ないと一般市民に保証できる信頼性の高いEGS 開発手法の開発,である。
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© 2012 日本地熱学会
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