日本地熱学会誌
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豊肥地熱地域DY-1坑井の方解石スケール中の流体包有物
笹田 政克
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1987 年 9 巻 3 号 p. 197-205

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抄録
豊肥地熱地域DY-1坑井の方解石スケール中に,多数の流体包有物が存在する。それらの多くは液体包有物であるが,少量の気相包有物も伴われている。これらはすべてスケール形成時にできた初成包有物である。これらの均質化温度及び氷点はガスフロー型冷却加熱ステージを用いて測定された。均質化温度からみると,方解石スケールは165-167℃の沸騰流体から形成されたといえる。また氷点からは,NaCl相当の塩濃度が0.2-0.3wt%と求められる。さらに噴出流体の化学分析値をも考慮すると,方解石スケールを形成した流体のPCO2は0.2atm,pHは6.4であったと推定される。
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