宝石学会(日本)講演会要旨
平成18年度 宝石学会(日本)講演論文要旨
セッションID: 18
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ゴールド系真珠の鑑別法の沿革
*鈴木 英之佐伯 美知子田中 美帆
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抄録

?ゴールド系真珠の発色機構
 ゴールド系真珠の発色機構はその真珠層成分であるタンパク質内の黄色色素に由来する。一方着色ゴールド系真珠は、白色系や淡黄色系真珠を着色でゴールド系にしたものである。着色法の詳細は不明であるが、表層部に直接黄色物質を浸透させているものと思われる。演者等が着色真珠を切断し、その真珠層薄片を観察したところ、表面から表層50ミクロン付近までに着色層が観察された。
? ゴールド系真珠の代表的鑑別方法
1)着色の痕跡観察
孔口付近や突起や窪みなどのきず口付近には残留着色物質の痕跡が観察される場合がある。
2)蛍光検査
ある種の着色物質は、紫外線(短波)によりオレンジ色の蛍光を出す場合がある。
3)分光反射スペクトル解析
最も一般的な鑑別法である。GIAがこれまで発表したレポートを紹介すると共に真珠科学研究所の解析法を発表する。
?新たな簡易鑑別法の開発
上述したように、着色真珠は共通して表層50ミクロンまでが着色されている。この真珠層の着色部の不均一性に着目した。光照射法を工夫してこの不均一性を増幅することにより両者の鑑別がしえるかを検討したので報告する。

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