宝石学会(日本)講演会要旨
平成24年度 宝石学会(日本)講演論文要旨
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平成24年度 宝石学会(日本)講演論文要旨
クンツァイトの色調変化についての考察
*西村 文子岩松 利香大池 茜藤原 知子
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p. 5-

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抄録

クンツァイトとはスポデュメン(リチア輝石 LiAlSi2O6)の一種で、ペグマタイト鉱床から産出される。スポデュメンのうち、特にピンク~紫色石のスポデュメンはクンツァイト、クロム着色の緑色石はヒデナイトと呼ばれている。クンツァイトは1902年にアメリカ カリフォルニア州にて発見され、近年は主にアフガニスタン、ブラジル、マダガスカルで産出される。クンツァイトは退色しやすく、また、放射線を照射すると緑色に変化すると言われている。
GEMS & GEMOLOGY(2001)には米郵政公社が始めた郵便物への放射線照射により、一部の宝石が影響を受けたことが報告された。その中でクンツァイトも放射線照射の影響を受けて緑色に変化し、自然光の下で短時間のうちに元のピンク色に戻った事が言及されている。
色調の変化をより詳しく調べる為に、今回複数の産地からクンツァイトを入手した。放射線照射、退色テスト、加熱処理を施してその変化を観察すると共に、FTIR、EDXRF、可視分光スペクトル測定を行いその推移を考察した。幾つかの知見を得たので報告をする。

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