主催: 日本歯科理工学会
歯質表面への初期付着では、口腔細菌はイオン結合、疎水性相互作用などを介して付着する。その中には、糖鎖-レクチンによる選択的な相互作用も知られている。そこで本研究では、Streptococcus mutansと人工複合糖質高分子の相互作用について検討した。その結果、菌溶液に人工複合糖質高分子を添加したところ、糖鎖構造による選択的な増殖阻害および時間依存的な阻害が観察された。また、添加初期では菌体表面への人工複合糖質高分子の付着が観察された。これらの結果より、阻害機構は選択的な糖鎖認識を含むものと推測される。