抄録
一般に樹脂含浸層は、象牙質接着界面の漏洩を防止する効果があると言われている。根管に対して接着性シーラーを適用した場合も、根尖のみならず歯冠側からの漏洩を低減させると期待されている。本研究の目的は、機器分析にてシーラー(MetaSEAL, Parkell, Inc., U.S.A.)と根管象牙質界面の解析を行うことである。
接着性シーラーと根管象牙質界面をSEM 観察したところ、厚みが10~20μmの層が観察された。この層に象牙細管が確認できたため、この部分はシーラーが含浸した象牙質であると考える。この層をEDS分析したところ、健全象牙質に比べてCa濃度が低かった。またFT-IR分析では、この層からシーラー成分が検出された。
これらの分析から、シーラー塗布前の根管象牙質の表層はCa濃度が低く、多孔質の構造を有していることが判った。この層にシーラーが浸透・固化することによって、樹脂含浸層が形成されたと考える。