体操研究
Online ISSN : 1883-5872
ISSN-L : 1883-5872
研究ノート
小学校中学年を対象とした「体つくり運動」教材の検討
—Gボールを用いた運動指導に着目して—
田村 元延 古屋 朝映子高橋 靖彦鈴木 王香長谷川 聖修
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2014 年 11 巻 p. 10-19

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抄録
 本研究は,小学校3・4年生58名を対象にGボールを用いた運動プログラムを試案・指導し,Gボールを「体つくり運動」の教材として活用するための基礎的な知見を得ることを目的とした.研究方法として,形成的授業評価およびバランス能力測定(座位バランスおよび横転バランス)を用いた.その結果,形成的授業評価では,児童は楽しく自主的に,仲良く授業に取り組む傾向が明らかとなった.また,バランス能力測定において,座位バランスの平均値は,指導を通して有意な向上を示した(p ‹.05).その一方で,横転バランスの平均値は,指導前後で大きな変容を示さなかった.しかし,両課題では,1時間目の測定値が低い児童ほど,4時間目に測定値を向上させる傾向が認められた.これらの結果から,Gボール運動の苦手な児童を対象とした場合でも課題を達成できる点も含め,Gボールは,多くの児童が楽しく自主的に取り組める教材として可能性を有していることが示唆された.
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© 2014年 日本体操学会
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