肺癌
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原著
後期高齢者進行非小細胞肺癌に対するパクリタキセルとカルボプラチン併用化学療法の第I相試験
奥村 俊介佐々木 高明須甲 憲明原田 真雄大泉 聡史本村 文宏斉藤 拓志西浦 洋一磯部 宏大崎 能伸
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2009 年 49 巻 2 号 p. 146-150

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抄録

目的.高齢者進行非小細胞肺癌に対する化学療法は,第3世代抗がん剤の単剤療法が標準治療として推奨されているが,十分な臓器機能を持つ後期高齢者に対してのプラチナ併用療法の安全性·有効性については十分検討されていない.本第I相試験では75歳以上の後期高齢者進行非小細胞肺癌患者に対して,Paclitaxel(PTX)とCarboplatin(CBDCA)併用化学療法の用量制限毒性(DLT)および推奨投与量(RD)を決定し,安全性ならびに有用性を検討した.方法.投与方法はPTXおよびCBDCAをday 1に投与し,21日毎,4コースの投与を目標とした.各レベルのPTX(mg/m2)/CBDCA(AUC)投与量は,レベル1: 175/5,レベル2: 175/6,レベル3: 200/6とし,レベル1から検討した.各レベル3例を登録し,DLT発生時はさらに3例追加登録し,3/6例以上のDLT出現を認めたレベルを最大耐用量(MTD)として,1段階減量したレベルをRDとした.結果.2005年12月∼2007年11月まで計10例が登録された(うち1例同意後撤回).有害事象に関してはGrade 3以上の好中球減少を5例,Grade 3の血小板減少を1例認めた.DLTは認められなかったため,レベル3がRDに決定された.結論.後期高齢者に対してもfull doseのPTX+CBDCA併用療法を行うことは可能であった.

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© 2009 日本肺癌学会
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