肺癌
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原著
高齢者進行非小細胞癌に対する化学療法の検討
船井 和仁高持 一矢望月 孝裕籾木 茂鈴木 一也
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ジャーナル オープンアクセス

2009 年 49 巻 2 号 p. 162-166

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抄録

目的.当科における高齢者非小細胞肺癌(NSCLC)患者に対する化学療法をレトロスペクティブに解析し,治療効果と有害事象について検討する.対象.2003年6月から2006年12月までに当科で1st lineの化学療法を施行した70歳以上の高齢者NSCLC患者24例を対象とした.結果.年齢中央値は75歳(70∼88歳).24例に計50コースの化学療法が行われた.76%(38/50コース)にプラチナ製剤を含む2剤併用療法が施行され,そのほとんどはCarboplatin+Paclitaxelであった.治療効果は,奏効率17%,病勢コントロール率79%,生存期間中央値(MST)15.6か月.Grade 3/4の好中球減少を58%に認めた以外は,副作用は比較的軽度であった.結論.高齢者NSCLCに対する化学療法症例24例のうち全体の76%にプラチナ製剤を含む2剤併用療法が行われた.Grade 3/4の好中球減少を58%に認めたが,安全に対処可能だった.MSTも15.6か月と良好であり,当科での高齢者化学療法は概ね安全に行われた.

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© 2009 日本肺癌学会
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