肺癌
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総説
原発性非小細胞肺癌におけるWntシグナルとEGFRシグナルの同期的異常
鈴木 実重松 久之中島 崇裕本橋 新一郎関根 康雄渋谷 潔飯笹 俊彦廣島 健三中谷 行雄藤沢 武彦吉野 一郎
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キーワード: 肺癌, 異常メチル化, EGFR, Wnt
ジャーナル オープンアクセス

2009 年 49 巻 4 号 p. 416-421

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抄録
目的.非小細胞肺癌においてWntシグナルとEGFRシグナルの異常亢進について包括的に検討した.対象と方法.238例の非小細胞肺癌手術症例でWntシグナル関連遺伝子(sFRP-1,sFRP-2,sFRP-5,Wif-1,Dkk-3)の異常メチル化とEGFR·KRAS変異を調べた.うち91例でβカテニンの免疫組織学的検討を行った.結果.腫瘍特異的なWntシグナル関連遺伝子異常メチル化を高頻度に認めた(13∼52%).sFRP-2異常メチル化は女性,非喫煙者,腺癌に高頻度に認めた.Dkk-3異常メチル化は腺癌症例で予後不良因子となった.EGFR変異とβカテニン核内異常集積に相関を認めた.KRAS変異とWntシグナル関連遺伝子異常メチル化に相関を認めた.Wntシグナル関連遺伝子異常メチル化のない症例ではEGFR変異は予後良好因子となった.結論.上記所見はWntシグナルとEGFRシグナルの同期的異常の存在を示唆し,本研究は非小細胞肺癌治療の基礎的データとなることが期待される.
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© 2009 日本肺癌学会
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