2010 年 50 巻 6 号 p. 846-852
典型的な肺癌のCT画像を理解する1つの方法は,病理組織型に応じて腺癌,扁平上皮癌,小細胞癌,大細胞癌と4つに分けて理解するものである.しかし,肺癌は1つの癌が様々な組織成分を持っていることが多い.したがって,まず,肺癌のCTに頻度の高い画像所見を理解すること,次いで,その所見を呈する頻度の高い組織型を理解することが肺癌の典型例を理解する上で近道であると考える.本稿では肺野型原発性肺癌の典型とされている結節辺縁のCT所見(スピキュラ,胸膜陥入,血管気管支の収束像,ノッチ)や内部のCT所見(すりガラス影,bubble-like area,空洞形成),肺門型肺癌の典型とされるCT所見(閉塞性肺炎を伴う腫瘤やリンパ節と一塊となる腫瘤)を概説した.