2014 年 54 巻 2 号 p. 41-46
目的.新潟県内での2006年手術登録症例が術後5年経過し,予後調査を施行したので解析した.対象と方法.2006年手術症例として登録された669例で,患者背景と予後について検討した.結果.男性:442例(63.1%),女性:247例(36.9%),平均年齢:68.4歳(39~87歳)であった.全症例の5年生存率は64.3%で,男性:55.2%,女性:79.8%,病理病期別5年生存率はIA(291例):80.8%,IB(177例):64.4%,IIA(60例):56.5%,IIB(31例):41.9%,IIIA(98例):31.5%,IIIB(1例):0.0%,IV(11例):27.3%であった.組織型別5年生存率はAd(468例):69.6%,Sq(147例):55.4%,La(15例):46.7%,Sm(14例):38.5%であった.術死は3例(0.4%)に認めた.結語.新潟県における肺癌手術患者の背景を明らかにし,2001年新潟県手術例と比較し,その推移を検討した.今後は早期症例の登録を増加させ,新潟県における肺癌治療成績の向上に貢献できることを望んでいる.