肺癌
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原著
カルボプラチン/ペメトレキセド併用療法におけるアプレピタントの有用性の検討
杉山 智英笠井 尚神山 由香理森 清志
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2015 年 55 巻 7 号 p. 1065-1069

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抄録

目的.カルボプラチン/ペメトレキセド併用療法におけるアプレピタントの有用性を明らかにする.方法.カルボプラチン(AUC 6),ペメトレキセド(500 mg/m2)を1日目に投与し,3週毎に投与した.1コース目ではアプレピタントを投与せず,悪心がGrade 2以上であった14症例に対し,2コース目よりアプレピタントを追加併用し,制吐作用について検討した.結果.男性/女性:11/3例,年齢中央値62歳.PSは0/1:4/10例,全例腺癌であった.1コース目の悪心はGrade 2/3:12/2例,嘔吐はGrade 0/1/2:7/6/1例,食欲不振はGrade 1/2/3:6/6/2例ですべて遅発性であった.2コース目の悪心はGrade 0/1/2:8/2/4例,嘔吐はGrade 0/1:13/1例,食欲不振はGrade 0/1/2:7/3/4例と有意に改善した.悪心は11例(78.5%),嘔吐は13例(92.8%),食欲不振は8例(57.1%)でGradeの改善を認めた.結論.カルボプラチン/ペメトレキセド併用療法でもアプレピタントの制吐作用が認められ,遅発期で有用であると考えられた.

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© 2015 日本肺癌学会
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