肺癌
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症例
局所麻酔下胸腔鏡におけるクライオ生検で診断した胸部SMARCA4欠損未分化腫瘍の1例
槌本 朱里石川 立越野 友太池田 拓海小橋 建太安田 健人長尾 喬生浅井 悠一郎森 勇樹千葉 弘文
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2022 年 62 巻 4 号 p. 345-349

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抄録

背景.胸水貯留をきたす疾患の診断に,局所麻酔下胸腔鏡検査は有用である.しかし,従来の生検鉗子では,病変の性質により検体採取が困難である症例を経験することがある.症例.51歳男性.特発性間質性肺炎の診断で当院通院中に,左胸水の貯留が出現した.左胸水貯留に対して局所麻酔下胸腔鏡による鉗子生検を試みたが,線維化により硬化した病変のため鉗子生検が不可能であった.そのため,局所麻酔下胸腔鏡下クライオ生検を施行したところ検体採取が可能であった.病理所見から胸部SMARCA4欠損未分化腫瘍と診断した.結論.局所麻酔下胸腔鏡検査によるクライオ生検は,線維化により硬化して鉗子生検が困難な病変の診断に対して有用である可能性が示唆された.

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© 2022 日本肺癌学会
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