肺癌
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症例
有症状の単発性脳転移摘出後に薬物療法を行い長期奏効が得られた進行非小細胞肺がん2例
西條 天基田中 彰彦木附 宏池田 徳彦
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2023 年 63 巻 7 号 p. 988-994

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抄録

背景.有症状の単発性脳転移摘出後に薬物療法を行い良好な効果を得られている進行非小細胞肺がん2例を経験した.症例1.50歳 男性,IVA期肺非小細胞癌,PD-L1高発現.脳転移摘出術実施後にペムブロリズマブによる薬物療法を開始,4コース後に免疫関連有害事象出現のためステロイド治療を行った.ペムブロリズマブ最終投与後27か月経過した現在,病勢は制御されており経過観察中である.症例2.60歳 男性,IVB期肺腺癌,PD-L1高発現.脳転移摘出術実施後にカルボプラチン+ペメトレキセド+ペムブロリズマブによる薬物療法を開始した.薬物療法開始後41か月経過した現在,病勢は制御されておりペメトレキセド+ペムブロリズマブによる維持療法を継続中である.結論.いずれの症例も積極的に脳転移摘出術を行うことにより,脳転移による症状と全身状態の改善を得て薬物療法に繋がり,長期生存を得られている.

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© 2023 日本肺癌学会
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