肺癌
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癌性胸膜炎の外科病理学的検討
全胸膜肺切除例での検討
高木 啓吾
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1981 年 21 巻 2 号 p. 161-175

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抄録
肺・縦隔原発の悪性腫瘍による癌件胸膜炎症例に対する全胸膜肺切除例14例の切除材料から癌性胸膜炎成立機序および胸腔内進展に関し検討を加えた.播腫は原発巣に接する胸膜から癌細胞が胸腔内に遊離し胸膜に着床する事に始まるが, この時期でもすでに臓側, 壁側胸膜中皮下層に浸潤が強く, 高度進展するにつれ胸膜脈管層のリンパ管浸潤が関与した。癌性胸膜炎の治療は, 少なくとも中皮下層以下に浸潤する病巣を目標とすべき事を強調したい.
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© 特定非営利活動法人 日本肺癌学会
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