肺癌
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癌性胸膜炎に対する治療成績および抗癌剤の胸膜透過性
レシャード カレッド北野 司久藤尾 彰池 修竹内 吉喜望月 吉郎綱谷 良一種田 和清岩田 猛邦人見 滋樹前里 和夫高橋 憲太郎
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1982 年 22 巻 2 号 p. 139-151

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抄録

癌性胸膜炎148例 (原発性肺癌性胸膜炎93例, 転移性55例) について, 組織別に, 胸水中腫瘍細胞陽性率, 胸水に対する治療開始からの生存期間, 胸水量の変動や胸水中腫瘍細胞の消失および抗癌剤に対する胸膜透過性を解析検討した.胸水中腫瘍細胞陽性率73%で, 治療により原発性の胸膜炎の64.7%, また転移性の80%に胸水中腫瘍細胞が消失した.治療開始からの平均生存期間は原発性癌性胸膜炎では6ヶ月, 転移性のものでは9.9ヶ月であった.局所療法としてはMMC, MMC+OK432, CQ+5FUの胸腔内投与や胸腔ドレナージおよびタルク注入法が有効であった.抗癌剤 (MMC, ADM, CPM, FT) に対する胸膜透過性を42例に検討したところ, 胸膜肥厚例で, 胸膜透過性は胸膜の肥厚度に逆相関した.

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