1984 年 24 巻 6 号 p. 763-767
α-fetoprotein (AFP) 異常高値を示した原発性肺癌を経験したので報告する.症例: 62才, 男性.主訴: 乾性咳噺.現病歴: 1981年5月頃より乾性咳嗽, 全身倦怠感が出現した.胸部レ線上, 右上肺野の異常陰影指摘された.血清のAFPは18,000ng/mlと高値を示したが, またCEA, LDHも高値を示した.剖検により原発性肺癌 (小細胞癌) のみで肝転移等は認めなかった.これらの腫瘍組織は特異螢光抗体法によってAFP産生腫瘍と考えられた.