肺癌
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気道確保に難渋した進行気管腺様嚢胞癌の2例
陽子線照射と埋め込み式ステント留置による治療
湯浅 洋司赤荻 栄一森田 理一郎鬼塚 正孝三井 清文辻井 博彦
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1991 年 31 巻 7 号 p. 1039-1044

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抄録

気管に発生する腺様嚢胞癌は気道の長軸方向に沿って進展し, かつ気道狭窄が高度となってから診断が確定することが多いためにしばしば気道確保に難渋する. 今回我々は, そのような気管原発の進行腺様嚢胞癌を経験したので報告する.
症例1は38歳男性. 切除不能進行腺様嚢胞癌による気管狭窄に対し, 緊急に放射線 (60Co) 照射, 気管支鏡下YAGレーザー照射を施行し, 気道は充分に開大させ得た. 腫瘍の増大による気管の再狭窄に対しては陽子線照射が有効であった.
症例2は28歳女性. 進行腺様嚢胞癌による気管狭窄に対し, YAGレーザー照射で気道開大後, 浮腫のために気道閉塞となった.挿管したまま放射線照射を施行したが, 一時軽快したものの再狭窄となった. そこで姑息的な気道確保として埋め込み式の留置ステントを用い, 良好な結果を得た.

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