肺癌
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血中Pro-gastrin-releasing peptide (31-98) が高値であったLarge-cell neuroendocrine carcinomaの1手術例
渋佐 隆四十坊 典晴山岸 雅彦森田 祐二阿部 庄作佐藤 昌明
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1995 年 35 巻 1 号 p. 87-91

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抄録

症例は, 64歳男性. 検診で胸部X線上, 右上肺野に腫瘤影を認め, 当科に入院. 血中NSEは正常であったが, pro-gastrin-releasing peptide (31-98) が121.4pg/ml (カットオフ値46pg/ml) と高値であった. 悪性細胞を認め, 肺癌の臨床病期T1N0M0の診断で右上葉切除術を施行した. 摘出標本の組織診上, やや大型の腫瘍細胞が胞巣状に増殖し, 核分裂数が多く, 所々に壊死巣を認めた. 免疫組織化学的にChromogranin Aが陽性であり, 電顕像で神経内分泌顆粒を認めた. 病理組織学的検索上, 神経内分泌的特徴を有する腫瘍であり, Travisらが提唱しているlarge-cell neuroendocrine carcinomaに一致する症例である.

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