胸郭内病変に対するCT透視下経皮的針生検について検討した.対象は, 最近1年間に気管支鏡で確定診断が得られなかったり, X線透視下で陰影の認識が困難な肺野病変30例 (原発性肺癌15例, 転移性肺腫瘍3例, 良性疾患12例), 縦隔病変3例, 胸膜病変3例の36例であった.CT透視下で18ゲージのGun式生検針を使用し生検を行った.命中率は94%で, sensitivityは86.4%, specificityは100%, accuracyは91.7%であった.合併症は19例 (53%) に認められ, 気胸が17例 (内3例に胸腔ドレーンを挿入), 肺内出血が3例, 血疾が1例であったが, 重篤な例は認められなかった.
以上よりCT透視下の経皮的針生検は従来の検査法では確定診断の困難な胸郭内病変に対し, 有用な検査法と考えられた.