肺癌
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CT透視下肺生検の有用性の検討
その検査成績と合併症について
雑賀 良典小倉 康晴土井 健司三崎 敏正清水 雅史楢林 勇
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キーワード: CT下肺生検, CT透視法, 肺癌, 気胸
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2002 年 42 巻 4 号 p. 255-259

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抄録

目的 1999年3月から2001年2月までに大阪医科大学付属病院放射線科にてCT透視下肺生検を施行した64例66病変について, 検査成績, 合併症について検討した. 方法 従来のCT下肺生検の手順に加えて, 生検針の先端の位置確認, 命中の確認等はCT透視にて行い, 一部の症例においては穿刺も透視下にて施行した. 結果. 全66病変中悪性所見が36病変, 良性所見が30病変で認められ, sensitivity 85.7%, specificity 100.0%, accuracy 90.9%であった. 気胸の発生は64例中20例 (31.3%) で認められた. 病変の最大径2cm以下の微小病変25例26病変についての検討では, sensitivity 81.8%, specificity 100.0%, accuracy 92.3%であった. 気胸の発生は25例中12例 (48.0%) で認められた. 偽陰性6例についての検討では, 肺内病変で, 腫瘍径が小さく, 皮膚面から病変までの距離が離れているものが多い傾向があった. 結論. 検査成績としては, 特に微小病変の正診率において満足のいく結果が得られた. しかし, 病変の最大径2cm以下の微小病変の場合, 合併症として気胸の発生率が48%と高かった.

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