レプラ
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癩に於ける植物性神經の變化に就いて
瀧野 益市
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1931 年 2 巻 1 号 p. 33-33,1-30_1

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抄録
私は嚢に,癩に於ける植物性神經末稍部の變化に就いて,報告致しました。然し,癩に於ける植物性神經の臨床上の徴候は,單に,末梢部の變化のみでは説明されない場合があります。末稍神經は,多くは混合神經であつて,其の中に色々の機能を有する繊維と含んで居ります。それでありますから,若し一定の癩性變化が,神經幹内に生じますと,知覺,運動等の機能障害の外に,往々,汗腺,脂腺,粘液腺等の植物性神經の機能障害をも,併發するものであります。然るに,癩に於て,〓々,植物性神經の機能碍害が,より單獨に表はれる場合があります。例へば,皮膚の一定の範圍に,主として汗腺の分泌障害のみが表はれる。その部分には知覺碍害を全く缺く。そして硬結をも觸れない.この場合には,恐らくは,植物性神經末梢部の變化に歸するよりも,植物性神經中樞部の變化に歸した方が,より妥當の如く思はれます。
そこで,私は10例の結節癩と,1例の神經癩とに於て,植物性神經末梢部の外に,其の中樞部(交感神經節,頸靜脈神經節及び節状神經節)をも檢索して興味ある所見を得ました。其の後,私は,櫻井氏と共に,多數の神經癩及び浸潤癩に於ても,ての方面の検索を遂げ,各癩型に於ける植物性神經の變性及び癩菌の分布状態,其の傳播徑路等を相比較観察致しました。詳細は後程報告し度いと思ひます。本論文の詳細は獨文に讓る
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