1987 年 56 巻 3 号 p. 101-109
Percoll密度勾配遠心法と水相2層分配法によるDraper法(IMMLEPプロトコール1/79)とPercoll密度勾配遠心法による森法とにより精製されたらい菌について若干の生物学的活性を比較検討した。精製らい菌のintegrityは後者において前者におけるよりも良かった。上述の2つの精製法によりえられたらい菌の100°C,熱処理ワクチンの宿主マクロファージ機能調節効果について検討した。その結果,2種のワクチンは細胞を採取する21日(皮下)および4日(腹腔内)前の2回注射により宿主マクロファージの貪食および活性酸素産生能を増強したが,抗リステリア活性を増強することは出来なかった。Draper法によりえられたらい菌のワクチンは森法により作られたものよりも宿主マクロファージの貪食活性をより高めたが,その活性酸素産生能の増強の点では逆の関係がみられた。