主催: 公益社団法人 日本アイソトープ協会
本研究は低酸素環境が放射線によって誘導された染色体異常の生成にどのように寄与するかを調べる研究である。今年度は実験系の確立とX線とC線を用いた実験を行った。低酸素容器内に細胞を設置し照射後、大気下と低酸素環境を維持した状態の2つの条件で24時間培養し染色体異常の代表例である二動原染色体の頻度を比較した。線量の増加とともに染色体異常の頻度は増加し、大気下培養と低酸素下培養で染色体異常の頻度に大きな差はみられなかった。このことから照射時の酸素の有無が染色体異常の誘導に影響を与えることが示唆された。