発育発達研究
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幼児の3歳以前と以後の遊び環境の変化と遊び内容の変化
青柳 領川原 弘之上田 毅古賀 範雄
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1998 年 1998 巻 26 号 p. 59-68

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抄録

福岡市内の7幼稚園児1252名の保護者を対象にアンケート調査により「3歳以前」と「3歳以後」の遊び種目の実施状況と, 遊び経験, 遊び仲間, 保護者の関与などに関する11項目の遊び環境を調査した。それらの変化パターンの関連から, 次のような結果を得た。
1) 遊びの変化については, 3歳以前はしていたが, 3歳以後しなくなった遊びは単純で, 運動量の比較的少ない遊びが多く, 3歳以前はしていなかったが, 以後するようになった遊びには, 高い知的水準を必要とする遊びや高度な調整力が必要となる遊びが多くみられた。
2) 遊ひ環境の変化については, 親の関与は3歳以前以後であまり変わらず, 反対に自分自身の自発的な内容はかなり変わる。そして, 母親の子供の遊びへの関与が消極的になっているが, 父親は3歳前後であまり変わらず, また, 自分自身や友達関連の遊び環境は積極的に変化している。
3) 遊びと遊び環境との関連については, 一般に, 消極的な遊び環境への変化により室内遊びの頻度が多くなり, 積極的な遊び環境への変化により活発な遊びの頻度が多くなっている。しかし, 一部には親の関与が本質的に必要・不必要な遊びや, 性差を反映した関連がみられた。

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