高次脳機能研究 (旧 失語症研究)
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シンポジウム : 臨床の技 (スキル)
認知症
池田 学
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2009 年 29 巻 2 号 p. 222-228

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抄録

本稿では,比較的初期 (CDR の0.5 ないし1 のレベル) 認知症の診断に必要な症候学を論じた。原因疾患では,頻度の高いアルツハイマー病 (AD) と脳血管性認知症 (VaD),AD とVaD に次ぐ認知症の原因疾患として注目されているレビー小体型認知症,ならびに若年性認知症の原因疾患として重要である前頭側頭葉変性症を対象とした。各疾患に特徴的な認知機能障害のパターン,精神症状と行動特徴を,診察ならびに検査場面から把握することの重要性を強調した。また,特定の認知症性疾患の診断には,認知症類似の症状を呈する,せん妄やうつ病などの精神障害,他の認知症性疾患が正確に診断できることが条件であることを述べた。

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© 2009 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
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