2021 年 41 巻 2 号 p. 163-171
難治性部分てんかんに対する焦点切除術は, 治療の選択肢の 1 つとして広く受け入れられるようになってきた。術前に機能局在同定のために, 慢性頭蓋内電極留置を用いた脳機能マッピングが行われる。 何らかの課題を行っている際に測定される皮質脳波を時間周波数解析して得られる高ガンマ律動が, 神経活動を示す良い指標となると考えられている。本稿では, 多数のデータを用いて作成された, 言語機能と低次視覚野に関連する包括的〝四次元〟脳機能マップを紹介する。聴覚および視覚刺激による呼称課題の際, また, 単純な光刺激を受けた際に, 大脳皮質は迅速かつ効率的に活動領域を変化させていることが示された。てんかん外科における脳機能マッピングの gold standard である皮質直接刺激に加え, 皮質脳波を用いた脳機能解析の結果が, より正確で安全な脳機能マッピングの一助となることが期待される。また, 今後さらに四次元脳機能解析の研究が蓄積されることで, 脳の生理的な神経活動のメカニズムが解明されることが期待される。