2019 年 2019 巻 29 号 p. 526-536
青年期女性を対象に,自己診断疲労度チェックリストによって評価された身体的,精神的,総合的疲労度の結果を感情プロフィール検査(POMS2)および疲労感 Visual Analogue Scale (VAS)と比較することによって,自己診断疲労度チェックリストによって評価された疲労度の妥当性を検証することを目的とした.2016 年,2017 年の 10 月に O 女子大学の学生 247 人(平均年齢±標準偏差: 21.0±0.9)を対象に身長,体組成の測定,POMS2,VAS,疲労感の有無,疲労を感じる期間に関する調査を実施した.自己診断による身体的疲労,精神的疲労,総合疲労それぞれの評価(安全群,要注意群,危険群)の 3 群について POMS2 の尺度と総合評価(TMD)および VAS の平均値を比較した結果,[活気~活力(VA)] [友好(F)]以外の尺度,TMD,VAS の平均値は,身体的疲労,精神的疲労,総合疲労において危険群に分類された者の値が有意に高値を示したことから,本研究で用いた自己診断疲労評価の有用性が示唆された.また,1 ヶ月以上疲労が持続する対象者においても同様の結果が得られたことから,慢性的な疲労の評価に有用である可能性が示唆された.