日本造血細胞移植学会雑誌
Online ISSN : 2186-5612
ISSN-L : 2186-5612
研究報告
同種造血幹細胞移植後の長期フォローアップシステム:単施設の実現可能性調査
黒澤 彩子金 成元藤 重夫山下 卓也田野崎 隆二福田 隆浩森 文子塚越 真由美山口 拓洋
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2014 年 3 巻 2 号 p. 49-58

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抄録

【目的】同種造血幹細胞移植後の長期フォローアップシステムを構築するにあたり,現在の体制における実現可能性を検討した。【方法】当院にて初回の同種移植後,再発なく,当科通院中の調査時年齢20歳以上の患者を対象とし,LTFU受診時期は1か月,3か月,6か月,1年,2年,3年,5年とした。原病や合併症に関する各種検査のほか,QOL評価,LTFUに関する患者へのアンケートを行った。【結果】調査期間は6か月,LTFU受診は47例,年齢中央値55歳,移植後経過期間中央値24か月(3か月~7年)であった。各項目施行割合は64%~100%で,全項目施行可能割合は32%であった。QOL調査票返信割合は57%で,解析は後日行われた。【結論】当院におけるLTFUは評価項目の再検討と効率的な検査実施システム構築のうえ,実現可能と考えられた。移植後の問題をより特異的に速やかに把握・評価するツールを構築することが必要と考えられた。

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© 2014 一般社団法人 日本造血細胞移植学会
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