2015 年 4 巻 4 号 p. 108-114
Hematopoietic cell transplantation-specific comorbidity index(HCT-CI)では,呼吸機能障害の判定に一酸化炭素肺拡散能(DLCO)が用いられる。当院の移植患者について,DLCOのHb補正法の違いがHCT-CIに与える影響を後方視的に解析した。Cotes法による補正ではDinakara法よりもDLCOが有意に低値となった。その結果,Cotes法では75.3%において呼吸機能障害があると判定されたのに対し,Dinakara法では77.4%において障害がないと判定された。HCT-CIでは,63.4%でCotes法の方がDinakara法よりもリスクを高く評価された。HCT-CIは臨床試験やデータベースにも用いられている指標であり,Hb補正法を統一しなければ,試験間の比較は困難となり,データベースの信頼性も損なわれる。