日本造血細胞移植学会雑誌
Online ISSN : 2186-5612
総説
骨髄系腫瘍, 急性リンパ性白血病に対する強化移植前処置の意義
近藤 忠一
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7 巻 (2018) 1 号 p. 1-8

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抄録

 急性骨髄性白血病(AML),急性リンパ性白血病(ALL),骨髄異形成症候群(MDS)に対する根治的治療として,同種造血幹細胞移植が有効な治療手段であるが,依然として,移植後再発は克服すべき課題の一つである。そのため,通常の骨髄破壊的前処置であるシクロホスファミド・全身放射線照射(CY/TBI)に大量シタラビン(HDCA)を追加する強化前処置が抗腫瘍効果を高める目的で開発されたが,その有用性については明らかになっていない。日本造血細胞移植学会のレジストリーデータを用いて,CY/TBIとHDCA/CY/TBIの予後を後方視的に比較解析を行った結果,骨髄系腫瘍,ALLに対して,臍帯血移植(CBT)ではHDCA追加による予後改善がみられたが,骨髄移植・末梢血幹細胞移植(BMT/PBSCT)では予後改善がみられなかった。今後,前向き試験による検証が待たれる。

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© 2017 一般社団法人 日本造血細胞移植学会
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