2018 年 7 巻 1 号 p. 9-16
チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)時代に同種造血幹細胞移植を受けた14例の慢性骨髄性白血病(CML)患者の治療成績を解析した。年齢の中央値は42歳(20-66歳),移植時病期は第1慢性期(CP1)が3例,第2慢性期(CP2)が8例,移行期(AP)/急性転化期(BP)が3例で,2例に血縁骨髄,1例に血縁末梢血幹細胞,4例に非血縁骨髄,7例に臍帯血を移植した。移植後の3年全生存率(OS)は71%で,病期別の3年OSはCP1 67%,CP2 75%,AP/BP 67%(P=0.925)であった。またBPで発症した6例はTKIの投与により全例CP2が得られ,3年OSは83%であった。TKIの登場により,BPで発症した患者の移植成績が改善される可能性が示唆された。