日本造血細胞移植学会雑誌
Online ISSN : 2186-5612
ISSN-L : 2186-5612
研究報告
中枢神経リンパ腫に対するブスルファンを含む前処置を用いた自家造血幹細胞移植の検討
山下 知子梅澤 佳央渡邉 健福田 哲也川又 紀彦三浦 修山本 正英
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2018 年 7 巻 4 号 p. 145-151

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抄録

 【背景・方法】中枢神経リンパ腫 (CNSL) は原発性・二次性のいずれにおいても通常の抗がん剤治療のみでは難治性であり,自家移植が治療選択肢となることが言われている。前処置としてThiotepa (TT),busulfan (BU) を含むレジメンが多く用いられている。2009年4月から2016年3月に当院で施行した前処置にBUを含む自家移植について後方視的検討を行った。【結果】原発性,二次性CNSLはともに4例ずつで,前処置はBU/TT/cyclophosphamide (CY),BU/etoposide (VP)/ranimustine (MCNU) がいずれも4例であった。移植後全例に奏功を認め,両レジメンとも1年無増悪生存率は75%であった。レジメン関連毒性ではBU/TT/CYで下痢,肝障害,急性神経毒性が認められた。【結論】CNSLに対する自家移植においてBUを含む前処置は有効である可能性が示唆された。

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© 2018 一般社団法人 日本造血細胞移植学会
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