2019 年 8 巻 2 号 p. 70-77
同種造血幹細胞移植後早期における骨格筋断面積の変化の特徴を明らかにすることを目的とした。対象は,当院にて同種造血幹細胞移植を施行し移植前後にCT検査を施行した15名である。大殿筋,中殿筋,大腿直筋,腹直筋,側腹筋群,傍脊柱筋群を対象筋とし,筋断面積および筋の質を評価した。下肢骨格筋では大殿筋,中殿筋,大腿直筋が移植後早期に有意な筋断面積の減少および脂肪変性の進行を認めた。体幹筋では傍脊柱筋群が移植後早期に有意な筋断面積の減少を認めたが,脂肪変性の進行は認めなかった。同種造血幹細胞移植後早期における骨格筋の変化は筋によって異なり,下肢骨格筋と同様に抗重力に分類される傍脊柱筋群も筋萎縮を呈することが示唆された。