日本造血細胞移植学会雑誌
Online ISSN : 2186-5612
ISSN-L : 2186-5612
研究報告
同種造血幹細胞移植後早期における骨格筋断面積変化の特徴
濱田 涼太吉田 路子宮坂 淳介村尾 昌信南角 学諫田 淳也近藤 忠一高折 晃史佐藤 晋池口 良輔松田 秀一
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2019 年 8 巻 2 号 p. 70-77

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抄録

 同種造血幹細胞移植後早期における骨格筋断面積の変化の特徴を明らかにすることを目的とした。対象は,当院にて同種造血幹細胞移植を施行し移植前後にCT検査を施行した15名である。大殿筋,中殿筋,大腿直筋,腹直筋,側腹筋群,傍脊柱筋群を対象筋とし,筋断面積および筋の質を評価した。下肢骨格筋では大殿筋,中殿筋,大腿直筋が移植後早期に有意な筋断面積の減少および脂肪変性の進行を認めた。体幹筋では傍脊柱筋群が移植後早期に有意な筋断面積の減少を認めたが,脂肪変性の進行は認めなかった。同種造血幹細胞移植後早期における骨格筋の変化は筋によって異なり,下肢骨格筋と同様に抗重力に分類される傍脊柱筋群も筋萎縮を呈することが示唆された。

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© 2019 一般社団法人 日本造血細胞移植学会
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